#56 もう無茶苦茶や...①

56投稿目です。

2025年3月25日(火)、第1回川西市議会定例会最終日。

議案第1号「令和7年度一般会計予算」に反対、討論いたしました。

反対理由は1つ、議会・執行部共に感覚が麻痺してしまっていること。
この状況にアラートを上げなければ、議会が機能不全となってしまいかねない。
非常に重い決断ですが、そうせざるを得ない異常事態が起こっています。

(長丁場を終え、少々力が抜けた岡田)

端的に言うと、執行部から来年度予算について「白紙委任依頼」を受けたということです。
予算委員会は税金の使い途を審査する場。にも関わらず、執行部はその使い途が決まっていない中で予算委員会に臨まれたという事実。
執行部と議会の関係値としてこれが正常なのであれば、これまでの両者の関係を否定することになってしまいますが、根本から正さなければならない。

今日に至るまでの経緯を時系列でお話させていただきます。

1.2/13、「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」の全体3.3億円のうち、3学期の給食費無償化に充てた1.5億円を引いた残1.8億円の使い途について当局へ確認。
その回答内容を受け、遅くとも予算委員会までには詳細な使い途が出てくるものと確信。
※尚、近隣自治体では2/12の時点で既にピシ―っと揃って、その詳細まで資料として議会に共有されていたことを確認済。

2.3/7、一般会計予算審査2日目。
上記回答から約1ヵ月、「市民等への経済対策実施事業業務委託料1.8億円」の使い途を確認。結果、『まだ決まっていない』

耳を疑いました。梯子を外されました。
これがいかに危機的な状況か、会社勤めの方ならお分かりいただけると思います。
会社の予算会議でもし、「まだ予算決まっていません、そして具体的なスケジュールも提示できません、その詳細理由は言えません」なんて言った日には、即やり直し!!!です。
でもこれがまかり通っている世界。もう無茶苦茶や...
これが世に言う「民間感覚」。これがわからない様であれば、重症です。

会派室に戻り、「使い途が決まっていないのに、予算可決したら議会の意味ないですよね?私の目は節穴ですと宣言しているようなもの。執行部といろいろ議論しましたが、全く納得できない。今回予算反対すべきでないでしょうか?」率直に会派メンバーに問いかけました。
諸々議論ありましたが、「岡田くんの言う通りやな。反対でいこう」と最終的に意見がまとまりました。

ここで『政治は数だ』を実感します。所属する川西まほろば会は5名、公明党さんと並び最大会派です。
保守系会派が当初予算案に反対。これは近年例が無かったもので重大な決断。
当該会派に所属し、会派の表決をひっくり返した。これは私が議員の職責を預かったからこそ生み出せた付加価値の1つだと思っています。

3.3/8、一般会計予算審査3日目。
審査が終わり、委員会採決。結果、賛成6反対5で委員会通過。

4.3/25、市議会定例会最終日。
提出議案の採決日。
3/8から今日まで約2週間ありましたが、残念ながら執行部から1.8億円の使い途についての具体的な説明はありませんでした。少し期待していましたが、賛否ギリギリであっても予算可決見込であれば別に年度明けての説明でもいいだろうという心理が働いたのだと思います。悔しいですがこれが現実、数が全てです。

「議案第1号 令和7年度一般会計予算」に反対、討論。
反対討論内容はブログの最後に記載いたします。

結果、賛成12反対11で予算可決。
賛成会派:公明党(5名)、連合かわにし市民の会(4名)、日本維新の会(4名)
反対会派:川西まほろば会(5名)、日本共産党(3名)、市民ファースト(2名)、会派無し(1名)
※議長は連合かわにし市民の会所属。

これが事の顛末です。
議会・執行部共に感覚が麻痺しています。
これまでの議会と執行部の事実上のなあなあの関係の積み上げが原因だと言わざるを得ません。

今までの関係値を正していく、正常に戻していく。

これは私にしかできない大きなミッションだと確信しました。

(2025年3月25日。政治家人生で忘れられない1日となりました)

 

 

岡田龍太郎

 

≪反対討論始め≫------

川西まほろば会は 議案第1号 令和7年度一般会計予算に反対いたします。

保守会派として当初予算案に反対というのは、近年例が無かったものと思います。
当初予算案への反対、これは非常に重い決断であることは言うまでもありませんが、理由は1つ。議会・執行部共に感覚が麻痺してしまっていることです。
この状況にアラートを上げなければ、議会が機能不全となってしまいかねません。

3月7日、一般会計予算審査2日目でした。
07款 商工費 01項 商工費 01目 商工振興費 03節 商工振興事業 12委託料において、「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」の全体3.3億円のうち、3学期の給食費無償化に充てた1.5億円を引いた残1.8億円について、「市民等への経済対策実施事業業務委託料1.8億円」の使い途は、まだ決まっていないというご答弁をいただきました。
これがいかに危機的な状況か、議場におられる諸先輩議員・執行部の皆さまはご理解いただける、されているものと信じています。
予算審査は言うまでもなく税金の使い途を審査する場です。ですがその使い途が決まっていない中で予算委員会に臨まれたという事実、大変残念ですが異常事態です。

これは金額の多い少ないが問題でもない、内容の如何、つまり市民・事業者への支援策が問題でもない、執行部の姿勢の問題です。
まだ使い途が決まっていない予算案を提出された背景には、根っこの部分で「白紙でも予算は通るだろう」という考えがあったことは否めません。普通の感覚であれば、「議会で指摘されるのでは?」「議会で様々な議論があるのでは?」と考えを巡らせ、執行部内の予算会議で、白紙の予算案が上がってくるようなことがあれば、即「やり直し!」となるはずです。でも、結果そうはならなかった。

私は個人的に、執行部の皆さまは丁寧に議会に対する説明の場を設け、仕事を進めてこられたと恐縮ながら評価していました。ですが今回の「白紙委任依頼」により、信頼することができなくなってしまいました。
予算委員会でいきなり指摘したわけではありません。委員会の約1ヵ月前、2月12日or 13日の段階で事前に当局に確認の上、その回答内容を受け、遅くとも予算委員会までには使い途がピシ―っと出てくるものと確信をしていました。ですが、結果は先ほどの通り「まだ」でした。

1.8億円、一般会計予算全体の約715億円に対し、0.25%にあたります。国からの交付金とはいえ、元を辿れば税金です。
この1.8億円の使い途がわからない状態で予算に賛成するということに対して、大きく二つの問題点があると考えています。
1つ、極端な話ですが、仮に委託料のうち50%が委託の事務経費として使われ消えてしまっても、予算賛成の立場では何も反論・意見できないこと
2つ、予算案に賛成し白紙委任となれば、もはや議会が何の意味も為さない追随機関だと認めるものであること
です。
よく執行部の皆さまは近隣自治体の動向を考慮して、というご答弁をされます。例えば同じ阪神間でいえば、尼崎市が約5.6億円、西宮市であれば7.4億円、その使い途について、議会に共有されたという意味では委員会の約1か月前、2/12の時点で既にピシ―っと揃って、その詳細まで資料として出ていました。
川西市は先ほど述べた通り、まだ決まっていない、先日の予算委員会の場でもまだでした。せめて、使い途の提示期限と説明の場について、そこで具体的な提案があって欲しかったです。
委員会ではこの議論の最後に、松木副市長から、「テクニカルな部分でまだ決まっていない」という答弁がございました。近隣自治体では1ヵ月前に使い途が出てきていて、本市は出ていないという事実。因みに某他市の副市長に本件について話を伺ったところ、「議会に対して使い途を示さずに予算化するなんて、そんなことありえます?」ということでした。これが客観的事実であり評価です。
時間と労力を掛けた分、市民・事業者に対して、事務経費がほとんどかからず、ほぼ真水で行き渡る様な、近隣自治体にはマネできないキレッキレの使い途が出るものと理解をしています。
先日の予算委員会の場で、私1人がヒートアップした様な感じになっていましたが、「予算の使い途が決まっていないのに予算が通過する」、これがまかり通ってしまう様であれば、冒頭申し上げた通り、議会も執行部も感覚が麻痺しています。

単純な数字の羅列の様に見えるこの予算書は、行政職員の皆さまが時間をかけて、庁内調整を重ね、積み上げてきた努力の結晶であり、「市民の皆さまへのメッセージ」が詰まったものだと思っています。
その中で、まだ使い途が決まっていないというのは真摯さに欠けるのではないかと感じていること、一方で予算、つまり税金の使い途を審査させていただく議会側として、ここで賛成することは、市民の皆さまに対して誠実さに欠けるものだと考えております。
本件はそれだけインパクトのあることです。執行部と議会の関係値としてこれが正常なのであれば、これまでの両者の関係を否定することになってしまいますが、根本(こんぽん)から正さなければならない。

以上の理由から、1.8億円という決められた枠に対する「使い途」に関することであり、特に予算の増額減額は無いので修正案の提出はいたしませんが、
1つ、職員の方々が本当に尽力してつくってこられた予算案に対し最大限の敬意を払う一方で、この時点でまだ使い途がわからない1.8億円もの予算があり、それは一議員として看過できないこと
2つ、また賛成してしまうと、議会が、そして予算審査の場が、形骸化しかねないこの状況に対する問題提起、
この2点を理由とし、本予算に対し、反対いたします。
------≪反対討論終わり≫

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